
作品賞
あの時代、我々の世代が青春を送った時代は、全共闘運動とベトナム戦争に明け暮れた〝70年安保〟の時代だった。大学はバリケードで封鎖され、勉強などできず、ついには学園内で平然と殺人が行なわれた〝狂った〟時代だった。
そんな時代を刻んだ映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」がついに出た。
これまでに、メーキングもの仕立てにした「光の雨」(2001年)や、警察側から描いた「突入せよ!あさま山荘事件」(02年)があった。しかし今度は、革命兵士たちが実名で登場し、正面から歴史を見据えた〝実録〟ものである。三時間十分。その間、一瞬たりとも眼が離せない。
監督は若松孝二。彼の別荘があさま山荘に見立てられ、最後には本当に破壊される。どうしても撮らなければ、という作家の覚悟が迫ってくる稀有の映画だ。
人は自分が歴史のどの位置に立っているかを、時として確認する必要がある。これはそのための映画だ。特に団塊の世代にとっては、眼を背けてはならない必見の映画である。
( 西村雄一郎 )