A PRIZE WINNER

審査員特別賞

藤田まこと「明日への遺言」

 第二次世界大戦の戦犯として米軍の裁判に孤軍奮闘して渡り合い断頭台に消えた岡田資中将の実話を大岡昇平の原作を元にして映画化したのが「明日への遺言」。裁かれる立場の岡田に扮して堂々たる演技をみせるのが藤田まことである。執拗に食い下がる米軍主任検察官と岡田側の主任弁護人との裁判所での丁々発止のやりとりも迫力があった。このような男がいたということを今知るだけでもこの映画を作った価値がある。小泉監督の演出は正攻法で無駄がなく引き締まっていて見事だった。
 生まれは東京で父親はサイレント時代のスター・藤間林太郎、大阪で芸人としてデヴュー、声帯模写、漫談、司会の仕事をこなし62年TVの「てなもんや三度笠」でお茶の間の人気者に、また「必殺仕事人」の中村主水も大ヒット、舞台でも上演された。映画は「てなもんや三度笠」(63)、「日本の青春」(68)、「クレイジー・シリーズ」(65~69)、「闇の狩人」「わるいやつら」(80)、「必殺シリーズ」(84~99)等の多くの作品で活躍されている。
( 福田千秋 )